アイフォン - iPhone 9はどうなっちゃうの?

アイフォン - iPhone 9はどうなっちゃうの?

そのロストナンバーはどこにある。

今回発表された新たなiPhoneは3種類。iPhone 8、iPhone 8 Plus、そしてiPhone X(テン)です。このうちiPhone 8についてはiPhone 7から順調にきているなと納得できるのですが、3機種が発表されたとき、心のどこかでこう思いませんでしたか? 「あれ、iPhone 9はないの?」と。

というのも、iPhone Xという文字を初めて見たとき、僕は「アイフォンエックス」と呼んでいたんです。今年はiPhone10周年の節目ではあれど、直接的に10番目のナンバリングを名乗ることはないだろう、と。なぜなら、9番目が出ていないから。9番目を超えて10番目がくるとはさすがに予想していませんでした。

失われた番号であるiPhone 9の話をするには、まずiPhone Xの特異性を知る必要があります。iPhoneはいつだって革新的なデバイスでしたが、iPhone Xは歴代のiPhoneと比べてみてもまったく違う点があります。ホームボタンの消失、ベゼルレス化ですね。

ベゼルレスがもたらしたのは革新性とスクリーン面積だけではありません。最新のiOSでは画面下から上にスワイプするとコントロールセンターを呼び出せましたが、iPhone Xはスクリーン右上部分を下に引き下ろすことでコントロールセンターを呼び出します。同じiOSであっても、iPhone 8とiPhone Xでジェスチャーが異なるんです。同じiOSなのにですよ?

アイフォン - iPhone 9はどうなっちゃうの?

そのほかにも、これまでホームボタンを二度クリックして呼び出していたマルチタスキングはスワイプアップというジェスチャーに置き換わり、Siriはサイドボタンの長押しに、Apple Payはサイドボタンをダブルクリックすることで呼び出せるようになりました。ホームボタンがなくなることで、これまで当たり前に行っていたジェスチャーがちゃっかり変化しているんです。Appleのサイトでは個別ジェスチャーのアニメーションも用意されています。

同じOSを積んでいるとはいえこれだけ挙動が変われば、それは同じ縦のラインとして考えていいものなのか。iPhone Xという名前がシリーズお決まりのアラビア数字を冠していないことも、その証左なのではないのか。そんな風に勘ぐりの気持ちが高まってくると、正統進化しつづけるiPhone n系ナンバリングラインに対して、ホームボタンを廃した革新路線をゆくiPhone Xラインという2つの構図が見えてきませんか?

つまり、iPhone XはiPhone n系とは別のラインに生まれた、いわば限界突破枠なんです。ゆえに今後は新モデルが出てもiPhone X2、iPhone X2 Plusと独自に伸びていく。それに対して元のナンバリングラインはこれまで通りに正統進化を重ね、iPhone 8 Plusの次は…そう、iPhone 9です。

ホームボタンを廃しノーホームとなったことで、オリジナルとは異なる文化、すなわち新しいジェスチャーを余儀なくされたiPhone X。その特異性はiPhone 9、あるいはiPhone 8 ○○といった名前を授かるにはエッジーすぎたのではないのか。だから9を飛ばしてXを名乗ったのではないのか。

…かようなことを思ったりもしたのですが、この推理にはちょっとした弱みもありまして。仮にこの考えの通りだとすると「iPhone 10」が出たときはどうするんだ、と。字面的にはiPhone 10とiPhone Xが並んでも違和感ないんですけど、発音が同じというのはあまりよろしくない気がしていて。『ウイニングイレブン』だって10の次は11じゃなくて違ういいまわしになったし、何か表現を変えてくるんでしょうか。それとも、これはホームボタンは9で打ち止めというAppleのホームボタンR.I.P.カウントダウンなのか。

アイフォン - iPhone 9はどうなっちゃうの?


なんだか違う意味でも次のAppleイベントが楽しみになってきましたが、これどういう角度から楽しめばいいんでしょうかね。iPhone 9がお披露目されたらいよいよホームボタンとの思い出を綴ったほうがいいのか、いやでもiPhone Xが好調に伸びるかどうかもまだわからないし。あぁ9番目よ、どこへゆく!
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